<変形菌と他の生物との関係>
 生物の分類体系の上で、変形菌はどこに置かれているのでしょうか。近縁な生物、生存競争、さらに人間の見間違いも含め、他の生物との関係を見てみましょう。
 生物を植物と動物の2つに分ける「生物二界」の考え方は、アリストテレスの時代にまでさかのぼれます。変形菌はキノコの仲間と認識され、植物界の生物でした。光学顕微鏡の発達と電子顕微鏡の普及によって微生物研究が飛躍的に発展した結果、今世紀の中頃に「生物五界説」が提唱されました。変形菌は、初め菌界に置かれましたが、現在は原生生物界に移されています。最近、生物界をもっと細かく分ける考えも提案されています。
 自然界は、私たちがまだ十分に理解していない複雑な生態系です。その中で、葉緑素を持たない生物は、植物の生産した有機物に依存して生活し、「食う−食われる」という関係の食物連鎖の網を作っています。変形菌も、この網から逃れることはできません。

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キノコを食べる変形菌ブドウフウセンホコリ
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